一般的衛生管理はHACCPの土台です!

HACCPは想定された危害の中で、現在の衛生管理では防止できないものを、CCPと指定し、CCPに一点集中することで、不良品の後工程への流出を防止する考え方です。

なぜ、一点集中できるのか!?。

それは、HACCPが一般的衛生管理のもとに成り立っているからです。

 

一般的衛生管理とは

一般的衛生管理は、食品メーカーや飲食店が、ごく普通に淡々と行うべきことで、保健所の査察などは、一般的衛生管理がきちんと機能しているかどうかを見ます。この一般的衛生管理がきちんと出来ていなければ、はっきり言ってHACCPを導入しても、全く意味がありません。一般的衛生管理はいわばHACCPの土台のようなものです。危害分析で想定された危害のうち、CCPに特定しなかった項目は、全て一般的衛生管理で十分に管理できると考えるからです。

f:id:KIG:20190218091843p:plain

一般的衛生管理の管理項目は以下の通りです。

  1. 施設設備の衛生管理
  2. 従業員の衛生教育
  3. 機械器具の保守点検
  4. そ族昆虫の防除
  5. 使用水の衛生管理
  6. 排水及び廃棄物の衛生管理
  7. 従業員の衛生管理
  8. 食品などの衛生的取り扱い
  9. 食品の回収プログラム
  10. 製品等の試験検査に用いる設備の保守点検

これらの管理項目は、食品メーカーや飲食店で、最低限求められるものです。きれいな建物で、従業員への教育がしっかりしていて、調理器具がきちんと点検されており、店内や加工場に虫がいない。使っている水は衛生的で、排水や廃棄物はきちんと処理されており、病気や汚い従業員は働いていない。原材料を取り扱うときはきちんとマスクと手袋を着用し、不良品が市場に流出したときには速やかに回収され、温度計や湿度計はきちんと校正されている。

このようなことがきちんと管理されたうえに、HACCPが成り立ちます。

しかし、多くの事業者が、この一般的衛生管理に苦戦されているのが現実なのです

 

一般的衛生管理(PP)の詳細

 

  1. 施設設備の衛生管理

 食品の製造現場や飲食店の厨房はもちろん、食堂や事務所そしてトイレなどがいつも衛生的に管理されていることです。不衛生な現場で食品を取り扱うことは、微生物汚染・異物混入・化学薬品の混入などの観点でリスクが大きいです。施設設備をいつもきれいに保つために、清掃箇所や清掃頻度を決めて、実施したことをきちんと記録に残していきます。

 

  1. 従業員の衛生教育

 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)や微生物の特性、手洗いの手順や清浄区域への入室手順、エアシャワーの使い方など、衛生についての従業員への教育のことです。従業員の衛生教育で大切なことは、①継続して地道に行うこと、②教育記録をきちんととること、の2点です。保健所の査察では必ず従業員の衛生教育の実施状況が確認されます。教育記録をビシッと見せましょう。教育の日時・内容・先生・受講者・受講者のサインが記録された書類があれば、ばっちりです。

 

  1. 機械器具の保守点検

 配管や熱交換器のガスケット、バルブのパッキン、ポンプや撹拌機のメカシール、無菌フィルターなどの消耗品の定期交換、機械への集中給油やカムへのグリスの塗布などの機械保全計画停電など、食品製造に関与する機械器具の保守点検のことです。計画のもと保守点検を実施し、記録を残します。状況をみながら、メンテナンス周期を見直し、適正なメンテナンス周期を確立していきます。ここでもやはり、しっかり記録を残すことが大事です。特に異常を見つけた際にどのような対応を行ったのかをきちんと時系列で記録しましょう。

 

  1. そ族昆虫の防除

 製造現場や厨房へのネズミや昆虫の侵入を防止することです。製品への昆虫の混入は重大な品質事故に繋がる可能性があり、絶対に阻止しなければなりません。ネズミも同様です。昆虫は、建屋内の光に誘引され、気流で流れ込む外部飛翔昆虫と排水や汚水、カビなどから発生する内部発生虫に分けられます。ゴキブリはこれらと別にして管理することが多いです。各箇所にトラップを設置し、モニタリングをしながら、陽圧管理や建屋の隙間埋め、清掃箇所や頻度の見直しを継続して行っていきます。多くの事業者が防虫業者を利用し、このようなモニタリングと改善提案を外注しています。モニタリング結果・改善前後の効果などを記録しておくことが重要です。

 

  1. 使用水の衛生管理

 食品工場や飲食店の厨房では大量の水を原料として、洗浄用水として使用します。水質は製品の品質に直接影響すると言っても過言ではありません。濁り・色・匂い・残留塩素は毎日、大腸菌群・一般細菌などは定期的に、重金属やヒ素などは1年に1回程度で確認し、記録をきちんと残します。水質検査を実施してくれる外部機関はたくさんあります。自社で検査出来ない場合は外部機関を利用し、検査報告書を保管しておきましょう。食品工場では屋上や屋外に貯水槽を設置していることがありますが、貯水槽の定期清掃も必要です。使用水の原水は水道水・井戸水・工業用水ですが、水道水は水道局が管理しているだけあって水質が安定しています。井戸水は地域によって水質にばらつきがあります。工業用水は天候や地震でダムの水質が大きく変動するため注意が必要です。

 

  1. 排水及び廃棄物の衛生管理

 水物を扱い、洗浄に大量の水を使う食品工場や厨房では排水が発生します。下水処理をしている事業者もあれば、排水処理施設を設置し、清水を放流している事業者もあります。排水処理では大量の汚泥が発生しますが、汚泥の管理を怠ると虫や微生物の大量発生に繋がります。廃棄物も同様で炎天下に廃棄物を放置すると虫や微生物の大量発生に繋がり不衛生な状態となります。汚泥や廃棄物を産廃業者に引き取ってもらい、日時や業者、量を記録して保管します。

 

  1. 従業員の衛生管理

 微生物汚染や髪の毛などの異物混入の殆どは人を介して発生します。これを防止するために、髪の毛や体毛が落ちにくいヘアネットやユニフォームを選定し、直接食品と接しないようゴム手袋を用意します。マスクの着用を義務付けたりもします。また、従業員の体調管理も重要です。ノロウィルスに感染した従業員は食品加工に従事するべきではありません。インフルエンザも同様です。従業員の体調を朝礼時に確認し、日々チェックして記録に残します。

 

  1. 食品などの衛生的取扱い

 これは原材料由来の品質事故を防止するためのものです。受け入れる原材料の冷蔵温度・冷凍温度・色・梱包状態などを確認し、原材料の受入の都度検収を行い、検収結果を記録に残します。

 

  1. 食品の回収プログラム

 仮に品質事故が発生し、市場に自社製品が流出した場合の回収プログラムを予め決めておきます。客先からのクレームの窓口の担当をどうするか、連絡ラインをどうするか、保健所含めた行政への連絡をどのタイミングで行うか、回収範囲をどのように決めるか、などです。実際にはケースバイケースでプログラム通りにはいかないことが多いですが、連絡体制をきちんと決めておくことで、初動が早くなり、回収範囲を絞ることが出来ます。

 

  1. 製品等の試験検査に用いる設備の保守点検

 製品の検査や製造工程でモニタリングに使用している各種センサーの定期的な校正のことです。出荷やCCPの拠り所になっている検査機器がデタラメな数値を示していると、大きな品質事故に繋がる可能性があります。温度計、比重計、圧力計、pHメーター、粘度計などが該当します。これまで行政の査察を多く受けてきましたが、この検査機器の校正がきちんとされているかどうかのチェックは必ずチェックされてきました。標準計と当該機器との計測のずれを定期的にチェックし、その結果や対策(大きくずれていたので交換)をしっかりと記録しておきましょう。

 

一般的衛生管理の確立もKIGにお任せ下さい!

 一般的衛生管理は5Sや保全メンテナンス、従業員教育、などの要素が大きいです。KIGには多様な中小企業診断士が在籍しており、ものづくり業界に共通したこのような要素についてのセミナーも数多く取り揃えています。ITを駆使したペーパーレス化による記録作業の軽減・保管スペースの削減にも寄与できます。是非、ご相談下さい。

HACCP(ハサップ)が義務化されました!!

HACCPは先進国を中心にHACCP導入の義務化が進められており、今や食品衛生管理の国際標準となっています。国内では広域的な食中毒事案が発生し、より一層の食品安全の確保が求められる中、2018年6月13日、HACCPが義務化されました。これにより全ての食品事業者が、HACCPによる衛生管理を求められるようになりました。

法的な制度化に加え、欧州や北米を中心とする海外ではHACCPの導入がすでに義務化されており、HACCPが導入された事業所で製造された食品以外は輸入しない、など、食品事業者の経営戦略や販路開拓の観点からも、食品事業者にとってのHACCP導入は喫緊の課題となっています。また、2020年の東京オリンピックの開催もHACCP導入制度化を後押ししています。

 

HACCP義務化の中身

  1. 対象となる事業者は、製造・調理・加工・販売などを行う全ての事業者です。
  2. HACCPの制度化は、認証取得を求めていません。HACCPに基づく衛生管理手法の導入が求められています。事業所の規模や業種によって2種類あります。
  3. 営業許可の届出や更新、定期的な査察の際に、HACCPに則った衛生管理が行われているかどうかを、地元の保健所の指導員が確認します。
  4. 「HACCPに基づいた衛生管理手法を導入していない」という理由での罰則はありません。ただし、営業許可が出ない、実際に食中毒事故が発生した際の営業停止などの行政処分が下されます。一番多いパターンは定期的な査察で指導員が不具合を指摘し、事業者は期日までに改善し報告する、という、これまでと同様の査察が行われます。監査の視点が「HACCPに基づいた衛生管理が成されているかどうか」になります。
  5. HACCPで求められる管理基準は、事業所の規模や取り扱う食品の種類に応じて2種類が設けられています。A基準(一般的衛生管理+コーデックスHACCP7原則に即した管理基準)とB基準(一般的衛生管理+HACCPの考えを取り入れた衛生管理)。
  6. 大・中規模事業所、と畜場、食鳥処理場は、A基準が求められます。
  7. 小規模事業者、販売店の店内での製造・加工業者、提供する食品の種類・変更が多い事業者等には、B基準が求められます。
  8. 食品衛生法の改正が公布された2018年6月13日から2年以内に、HACCPの制度化が施行されます。施工後は1年以内に体制を整える必要があります。

 

HACCP導入のメリット

  1. 自社商品の海外への販路拡大の土台となります。
  2. 品質に対する信用力が強化され、国内での売上アップの可能性が高まります。
  3. 従業員の衛生教育が進みます。
  4. 食品の廃棄ロスが減少し、原材料費や廃棄費用が減少します。収益の改善が期待できます。
  5. クレームが減少します。またロットトレースが強化され、クレーム対応のスピードや内容が向上します。

HACCPの考えを取り入れた衛生管理ってなんやねん!?

小規模事業者や取り扱う食品の種類が頻繁に変更となる事業者には、「HACCPの考えを取り入れた衛生管理」、つまり基準Bが求められます。この微妙な言い回しの意味は何なのか!?わかりやすくまとめると次のようになります。

 

  1. 認証制度ではありません。計画をつくり運用し、ちゃんとやってるよーと、保健所に説明できればいいです。
  2. コーデックス7原則に則ったガチガチのHACCPシステムの構築は求められていません。
  3. 一般的衛生管理が基礎になります。これはガチガチHACCPと同じです。
  4. 危害分析をちゃんとやります。そしてCCP(重要管理ポイント)を決めます。

 

これまでの厚労省都道府県が認証してきたHACCPと比較して、求められるレベルはかなり簡素化されています。そして、厚労省も小規模事業者の負荷を考慮して、各業界団体が作成した手引きをホームページに掲載しています。

 

今回は、日本豆腐協会が作成した手引書の中身を確認していきます。HACCP義務化で実施するべきことは次の3つです。

 

  1. 衛生管理計画の作成
  2. 計画に基づく実施
  3. 確認・記録

 

1.衛生管理計画

衛生管理計画は、①一般的衛生管理計画の作成と、②重要管理ポイントの決定、の2つがあります。一般衛生管理は、従業員の衛生教育、防虫防鼠の管理、クレーム発生時の対応方法など9つの管理項目があります。一般衛生管理の詳細については改めて記事を投稿します。そして重要管理ポイントについては、ブロックフローの作成危害分析の工程を経て、重要管理ポイントを決めていきます。

 

2.計画に基づく実施

文字通り、「衛生管理計画」を粛々と進めていきます。そして、計画は実施して初めて効果のある計画かどうかが分かります。従業員の健康チェック項目に追加すべきことが増えた、防虫防鼠の定点観測の場所を変更する必要性が生じた、重要管理ポイントにした工程は、一般衛生管理をしっかり行うことで品質事故を防止できるようになった、など、状況に応じて計画をブラッシュアップしていきます。

 

3.確認・記録

「衛生管理計画」を計画通りに進めていることを第3者(保健所や認証機関)に示すためには、記録が必要です。記録は、衛生管理計画に基づいたもので、日報や週報・月報、チェック表などが挙げられます。これらは5W1Hが記録できるようなフォーマットにします。いつ、誰がチェックし、管理項目がどのような状態だったのか(従業員の健康状態がどうだったのか、冷蔵庫の温度がどうだったのか、異常時の対応は誰がどのように行ったのか)を記録します。そして記録書を責任者が確認し検証します。計画の変更が必要であれば柔軟に変更し、新たな計画(ルール)に落とし込みます。

具体的な記録書については、業界団体が作成した手引書内にサンプルが示されています。

このように、HACCPの考えを取り入れた衛生管理、とは、①一般衛生管理と重要管理点について確認頻度や方法・異常時の対応方法を決める、②粛々と計画通りに運営し、必要に応じて計画や確認頻度・方法を変更、③記録をきちんと残す、を繰り返すことです。これはガチガチHACCPでも同様です。 

KIGは導入後を見据えたHACCP導入パッケージを用意しています!

今回はHACCP義務化の背景や詳細についてのお話でした。HACCPは導入よりもむしろ、システムを維持していくことに多大な労力を要します。それは衛生管理計画、重要管理ポイントのモニタリングの要所で記録が必要だからです。経時のモニタリングや紙への記録、記録書の保管は本当に大変で、それが原因でHACCPシステムが形骸化することもあります。

 KIGではHACCP導入支援だけではなく、各種センサー(温度・圧力・流量等)からのデータの自動取得やタブレット端末を用いたペーパーレス化などのIT技術を取り入れた、運用時の省力化を見据えたパッケージを用意しています。そして、ものづくりに精通した私たちKIGメンバーは、HACCPを足掛かりに、加熱・冷蔵・冷凍の効率化、使用水量の適正化などの省エネの推進、品質不良によるロス削減などを通じて、QCDの改善から御社の経営改善に繋げていきます。是非、ご相談下さい。

ものづくり補助金(平成31年度)採択のポイントとは?(後編)

KIGのカイゼン屋 上大田です。

前回に引き続き「ものづくり補助金」について、採択のポイントや実際の採択事例について説明させて頂きます。

 

ものづくり補助金の採択ポイント!「革新性」について【復習】

「ものづくり補助金」の採択ポイントは「革新性」であると説明いたしました。

そして、その「革新性」の定義は次のとおりでした。

 

 

「自社になく、他社でも一般的ではない、新たな役務を取り込んだ(取り入れたも含む)新サービス、新商品開発や新生産方式」

 

 

また、革新的かどうかの判断基準は、『当社比』ではなく、『地域』や『業種内』など、『相対的』な視点から、判断されると説明しました。

 

つまり、

 

「地域の同規模の企業や同業他社で、まだどこもやっていない」

 

をアピールすることが重要ということです。

 

ものづくり補助金採択事例〜革新性の観点から分析〜

では、実際に採択された事例を基に、どのように「革新性」をアピールしていけば良いのかを考えてまいりましょう!

 

ものづくり補助金採択事例①自社開発IoT活用による射出成形機等の現場管理の改善

まずは、自動車関連部品を柱に、家電、住宅関連、OA機器などのプラスチック部品の製造を手がけるメーカーの事例です。

 

従来は、「成形材料投入記録・乾燥機点検表」、「射出成形機ごとの作業日報」、「金型ショット数管理台帳」など、従業員が作業工程を一つずつ目視で確認し、手書きで状況を把握していたため、作業に時間がかかり、人為的ミスが頻発しやすかったとのこと。

 

そこで、成形工場内にある全25台の射出成形機にIoTを導入し、データパネルから作業工程や機械の稼働率を確認することが可能になり、現場の従業員から事務室の者までリアルタイムで製造状況の把握が実現でき、労働作業の効率化と時間短縮を測ることができたそうです。

 

ここでのポイントは、何か新型の設備を導入しました、というのではなく、従来からの設備であってもIoTを活用した新たな取り組みにより、生産性を向上することができた、という点を「革新性」としてアピールしている点です。

 

この事例の場合もそうですが、IoTを活用した新たな取り組みには、IoT端末やネットワークインフラなど、それ相応の初期投資が必要となります。そういった投資においても、ものづくり補助金が活用できるということです。

 

ものづくり補助金採択事例②藻塩製造装置の省エネルギー化・生産性向上による競争力強化

 

次は、海水を濃縮して作る藻塩の製造プロセスにおいて、省エネルギー化・生産性向上を達成した事例です。

 

海水を濃縮する製造プロセスは、

逆浸透膜機による濃縮(塩分濃度3→8%)、

②減圧蒸発機による濃縮(8→23%)

となっており、特に②減圧蒸発機による濃縮で非常に大量のエネルギーを使用し、コスト高の原因となっていました。

 

そこで、エネルギー使用量の少ない①逆浸透膜機を増設し、②減圧蒸発機でのエネルギー消費や濃縮にかかる時間を減らすことで、省エネルギー化・生産性向上を達成しました。

実際にはテストを何度も繰り返して最適な運転条件を検討・工夫することで目的を達成したようです。

 

ここでのポイントも、設備の増設は行なっているものの、生産工程の見直し食品製造のコストで大きな割合を占めるエネルギーに着目した点が、「一般的ではない新たな生産方式」の導入、つまり「革新性」として評価されたと考えられます。

 

 

この2つの事例から、採択のポイントを考えてみますと、1.課題が明確になっている、2.他社で対応出来ているところがない、3.自社で独自に試行錯誤しながら取り組んでいる、といった点が重要であると言えます。

 

1.課題が明確になっている、を分かりやすく説明しようとすると、3.自社で独自に試行錯誤しながら取り組んでいる、の説明でせっかくの独自性が損なわれたりしがちになります。

 

そこが難しかったりするのですが、KIGにはものづくりの多種多様な専門性を有した中小企業診断士兼エンジニアが多数存在しており、それぞれの専門性を活かした支援ができるのはもちろんのこと、現場の苦労を実際に経験し、独自の工夫で乗り越えてきた方が多いので、現場目線での支援ができます。

課題解決にものづくり補助金の活用をご検討されている方は、ぜひ、KIGにご相談ください!

ものづくり補助金(平成31年度)採択のポイントとは?(前編)

KIGのカイゼン屋 上大田です。

先々週でも紹介のありました「ものづくり補助金」について、採択のポイントや実際の採択事例について説明させて頂きます。

 

  ものづくり補助金の対象や上限は?

「ものづくり補助金」とは、中小企業庁による、ものづくり中小企業支援事業であり、中小企業・小規模事業者が取り組む生産性向上に資する経費の一部を補助することにより、中小企業・小規模事業者の生産性向上を図ることを目的としています。

 

概要や補助の対象、上限について中小企業庁のホームページより引用します。

【概要】

新製品開発のための製造機械の購入や効率的な最新の加工機等の購入やシステム構築費用などを支援し、中小企業の生産性向上を図ります。

【対象事業者】

中小企業・小規模事業者等で一定の要件を満たすNPO法人も申請対象です。

3~5年で、「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成できる計画が必要です。

【補助額、補助率】

 

上限額※1

補助率

一般型

1000万円

1/2※2

小規模型

500万円

小規模事業者 2/3

その他事業者 1/2※2

企業間データ活用型

2000万円/者※3

1/2※2

地域経済牽引型

1000万円/者

1/2※4

※1 専門家を活用する場合 補助上限額30万円アップ

※2 生産性向上特別措置法に基づく先端設備等導入計画の認定、又は中小企業等経営強化法に基づく経営革新計画の承認を取得して一定の要件を満たす者は、補助率2/3

※3 連携体は10者まで(200万円×連携体参加数を上限額に連携体内で配分可能)

※4 地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画の承認を取得して一定の要件を満たす者は、補助率2/3

 

平成31年実施ものづくり補助金の1次公募開始は2月中旬頃、締め切りが2月末頃と予想されています。

 

ものづくり補助金の採択のポイントとは?

それは、ずばり「革新性」です!

でも、革新性って一体何なのでしょう?

ミラサポの記事中小企業庁 技術・経営革新課係長らが次のようにコメントされています。内容は「革新的サービス」についてですが、「ものづくり技術」でも同様と考えて差し支えないです。

 

 

「自社になく、他社でも一般的ではない、新たな役務を取り込んだ(取り入れたも含む)新サービス、新商品開発や新生産方式」

 

 

また、革新的かどうかの判断基準については次のようにコメントされています。

 

 

「例えば、新しい設備・機器を導入しても、『当社比』で革新が行われたというようなことではあてはまらず、『地域の先進事例』や、『業種内での先進事例』にあたるかどうかなど、『相対的』な視点から、革新性を示さなければなりません。」

 

 

ですので、単に設備が古くなったから新しいのに置き換える、という内容では採択には繋がりにくいということなのです。

 

以上をまとめると、「他社でも一般的ではない」「地域や業種内の先進事例」というところにヒントがありそうです。

 

また、ものづくり補助金の対象や上限は?で「中小企業等経営強化法に基づく経営革新計画の承認を取得して一定の要件を満たす者」は補助率がアップ(1/2 → 2/3)するとありましたが、その経営革新計画の定義も革新性の定義とほぼ同じです。以下に引用します。

 

 

事業者にとって新たな事業活動であって、以下の各類型の事業を含むものが経営革新計画となります。

 

1.新商品の開発または生産

2.新役務の開発または提供

3.商品の新たな生産または販売の方式の導入

4.役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動

 

このような「新たな取り組み」については、多様なものが存在しますが、「新たな取り組み」とは、個々の中小企業者にとって「新たなもの」であれば、既に他社において採用されている技術・方式を活用する場合についても経営革新計画としてふさわしいものとなります。

 

 

やはり、「他社でも一般的ではない」「地域や業種内の先進事例」という点で同じのようです。

 

ものづくり補助金の申請で「革新性」をアピールするには?

 

では、「他社でも一般的ではない」「地域内や業種内の先進事例」をアピールするためにはどうしたら良いのでしょうか?

 

個人的には、特許に近いものがあると思います。

特許は「無から有を産み出す」と思われがちですが、そのような特許はごくわずかで通常は「有から今までとは違う有を産み出す」ものがほとんどです。

例えば、ある業種では一般的な技術が、実は別の業種では今までとは異なる場合があり、それをヒントに特許につながる場合があり、そのような発想においては、技術的な視点やアイデアが非常に重要となります。

 

ものづくり補助金の「革新性」においても、同様のことが言えます。

KIGは中小企業診断士の集まりではありますが、電気・機械製造、食品製造、省エネ、ITなど様々な業種の技術的な視点やアイデアを持つエンジニアが多数在籍しており、それぞれの専門性を活かしたお手伝いができます。

 

ものづくり補助金で「革新性」のアピールにお困りの方は、是非KIGにご相談ください!

平成31年度省エネルギー投資促進に向けた支援補助金について

こんにちは。省エネ屋の稲垣です。

先週の中小企業向け補助金に続きまして今回は省エネ関係の補助金につきましてご紹介させていただきます。

 

経営力向上になぜ「省エネ」と思われていませんか?

「省エネ」は経営力を向上させていく有効なツールになります。

なぜだと思われます?

「省エネ」はエネルギーコストの削減になります。削減分は利益の増加になります。  

この利益増加を売上向上で達成しようとするとどれぐらい必要かを見ていくと「省エネ」の効果の大きさがわかると思います。

 

まず、一般的にエネルギーコストはどれくらいかかっているのでしょうか?

売上高に占める光熱水費は宿泊業で6%、飲食業で4.2%です。

(出典 中小企業庁:平成29年度中小企業実態基本調査)

製造業では工場生産額に占めるエネルギーコストは食料品で2%、金属製品で2%、電気機械で1%程度となっています。

(出典 環境省:マクロ経済及び産業に与える影響)

 

それでは簡単に計算してみましょう。

例えば、

年商1億円の企業の場合、年間光熱水費が売上げの2%として

1億×0.02=200万円

年間光熱費の10%を削減した場合、

200万円×0.1=20万円

売上に対する営業利益率を2%とした場合、

20万円÷0.02=1000万円

  

なんと、売上を1000万円(10%)向上させるのと同等の効果があります。

 

でも「省エネ」するには「我慢」「生産に関係のない投資」が必要だし後回しと思われていませんか?

 

この「省エネ」を後押しする補助金経済産業省環境省から出ています。

対象設備は照明~生産設備まで幅広く対象となっています。

なんと、「高効率照明、高効率空調及び高効率テレビへの更新による省エネルギー事業」

なんて採択事例もあります。

平成30年度は終了しましたが「「エネルギー使用合理化等事業者支援事業」が代表的なものです。

Ⅰ.工場・事業場単位での省エネルギー設備導入事業

補助対象:省エネルギー設備への更新、改修等 見える化システムも含む。

補助上限額:1事業当たり    15億円/年

補助率:1/3(条件によって1/2)

Ⅱ.設備単位での 省エネルギー設備導入事業

補助対象:照明、空調 、冷凍冷蔵設備、ボイラ等指定する10種の設備費   

補助上限額:1事業当たり    3000万円/年

補助率:1/3

 

  「省エネ」なので工場がメインのイメージを待たれる方もいらっしゃいますがリンク先にありますように飲食店舗、事務所ビル、福祉施設、ホテル等幅広く採択されています。

 http://sii.or.jp/cutback30/uploads/setsubi_koufuketteianken.pdf

http://sii.or.jp/cutback30/uploads/koujou_koufuketteianken.pdf

 

 

H31年度はというと予定通り「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」として予算要求されています。

 

例年通りだと5月末に公募が開始され7月頭が締め切りになります。

交付決定は8月末頃です。

 

ものづくり補助金と合わせて今から、検討されてみませんか?

経営力向上に役立つ意外な補助金活用方法がありますので

興味のある方は是非KIGにご連絡ください。

思いを一緒に実現してみませんか。

平成30年度中小企業者向け補助金について

こんにちは。補助金担当井澤です。

寒くて気分が落ち込みがちになる今日のこの頃ですが、嬉しいお知らせです。

今年(平成31年)も各種補助金の公募が行われる見込みです。

補助金を活用して設備やシステム、ホームページ等への投資を行い、事業を加速させましょう。

 

平成30年度第2次補正予算で出ている主な補助金は、以下の3つです。

【ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金)】

補助対象経費:主に機械装置費

補助上限額:1,000万円

補助率:2/3(条件によっては1/2)

 

【小規模事業者持続的発展支援事業(小規模補助金)】

補助対象経費:主に広報費、機械装置費等

補助上限額:50万円

補助率:2/3

 

【サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT補助金)】

補助対象経費:ソフトウェア導入費

補助額:50万円

補助率:1/2

(2018年実績)

 

さて第一回目の今日は、補助金額No1、注目されている方が多いであろうものづくり補助金についてご紹介いたします。

 

補助金、機械装置導入にかかる費用が国から最大1000万円補助されます。

今年の予算額は約800億円、全国で約8000社、各都道府県190社程度が採択される見込みです。

 

Q:1000万円もらえる?返さなくてよいの?

A:はい。もらえます!返済不要です!(補助金を行って儲かりすぎた場合、収益分の返還が必要となる場合がありますが、ごく稀です。)。

Q:個人事業主でも応募できるの?

A:はい。可能です。

中小企業の株式会社・有限会社のほか、協業組合、商工組合、特定非営利法人、そして個人事業主も応募できます。個人事業主の歯医者さん、歯科技工所さん、金属加工の職人さん、応募可能です!

(ただし従業員を雇用していない場合、採択に際し、不利になる場合があります。お問い合わせください。)

Q:設置費用も対象となるの?

A:はい。設置時の運賃、設置工事費用も補助対象となります(ただし、設置場所の整備工事、基礎工事は対象外です。)

 

補助金の申請支援を行ってくれる業者さんはたくさんありますのが、是非一度KIGにお問い合わせください。

KIGではヒアリングから書類の作成、応募まですべて中小企業診断士経営コンサルタント唯一の国家資格)が対応し、企業情報・個人情報等、秘密を厳守いたします。

またKIGには、メーカー勤務、公的機関勤務、コンサルティング会社勤務など様々なバックグラウンドを有する中小企業診断士が所属しています。そのため、皆様の採択、そしてその後の事業拡大を見据え、各々の専門分野を生かしチームでアドバイスすることができます。「こんなことに詳しい人に来てほしい。」というリクエストにも可能な限りお応えさせていただきます!

 

補助金に興味のあるかたは是非一度連絡ください。

お待ちしております。

新年のご挨拶と抱負

皆さま、明けましておめでとうございます。
KIG主宰の青山です。


皆さま、お正月休みはいかがでしたか?
今日までお休みの方も多いのではないでしょうか?

私事ですが、大晦日が誕生日でして、先日の1231日に、とうとう40歳になりました!

孔子曰く、「四十にして惑わず」とのことですが、確かに30 歳の頃と比べ、人生に対しての迷いは無くなってきたような気もします
(加齢に伴い、人生の選択肢が減っているだけかもしれませんが。。。苦笑)
与えられた時間の中で、自身ができること、やりたいことを、求められていることを愚直に進めていきたいと思います。


さて、201712月に立ち上げたKIGも、早いもので1年が経ちました。
私は、
昨年1年間の活動の中で、KIGでできることは何か?を考えていました。

 

KIGの持つ魅力は、「多様性」です。各種企業の中心で働いているバリバリのメンバーがが多く在籍しています。その情報は常にフレッシュであり、技術的に実務もできるメンバーが多くいます。また、多くの人脈も保持しています。

 

今年は、その多様性を最大限活かして、その多様なプロフェッショナルを融合させ、チームとしての支援メニューの充実を図っていきます。

 

当面は、特に下記を進めていきたいと考えています。

 

・創業支援事業

・ものづくり支援事業

・スモールM&A事業

・経営サロン事業

 

内容は、整いましたらご案内いたしますので、もう少々お待ちください!

 

KIGは、私たちでしかできない形で、皆様の事業を未来に繋ぐお手伝いをしていきます。

今年もよろしくお願い致します。